ベルギーの本の街(友人のニュースレターより)


ベルギー南部にある古本屋の町Redu

 

ベルギー南部のArdenneという丘陵地帯に、Redu(ルデュと発音する)という人口500人くらいの村があります。本好きの人たちの間では昔から知られていたようで、このReduは「ブックタウンBook Town」として成功した片田舎の町としてかなり有名なところだと後で知りました 。また、年末12月26日にはアメリカのワシントンポスト紙でも取り上げられたのです 。 

 

なぜこの小さな村と縁が出来たかというと、ナイロビで同じアパート住んでいる知り合いのAnthe(オランダ人女性)とJohan(ベルギー人男性)カップルがこの村で副業として民宿を経営しており、物珍しさもあって、昨年夏にマリエッタと一緒に出かけて2泊してきました。散策やバードウオッチングにもってこいの場所。とはいえ、ベルギー南部リュクサンブール州にある小さな村と聞いていたので、あまり期待していませんでした。彼らの民宿(Villa Reduiste)は、村の教会に向かいという好位置の白塗りの古い建物で、実は本屋さんだったのを買い取って3部屋がある民宿に改造したそうです。本屋というからこじんまりとしたところかと思いきや、蔵書が2−3万冊(きちんとまだ数えていないそう)、英語オランダ語フランス語とドイツ語の本が所狭しと並んでいる壮観な眺めにびっくり。アフリカでの駐在が長い2人はアフリカ、特にフランス語圏の写真集や専門書もかなり持ち込んできており、朝ごはんの後や夕食前に本棚を眺めるだけでも楽しかったものです。

 

ヨーロッパだと、イギリスにもヘイ・オン・ワイ(Hay on Wye)という町があり、どちらも交通の便があまり良くない片田舎です。そんなところに古書販売の店が集積し、その地の歴史や風土との調和もとれて、多くの来訪者でにぎわっているから不思議なものです。週末だけ開ける古本屋も含めたら昔は30軒、今でも20軒弱の本屋が小さな町に集まっているのだから、面白くない訳がありません。過疎となってしまったこの村で1980年代に開かれた本のお祭りがきっかけで、この小さな村に少しずつ古本屋が店を出すようになり、料理の本、海洋関連の本、音楽関連の本、製本をする店など、それぞれ専門分野があるユニークな本屋さんが軒を連ねているのです。

 

 そしてもう一つ珍しいのはユーロ宇宙センター(Euro Space Center) の存在。今回は訪問しなかったのですが、ロケットやパラボナアンテナ等があり、いろんな機械や装置に触れることができるようです。ヨーロッパ各地からいろんな人がここに雇われており、意外と国際色が豊かな村でもあることを再認識。レストランも5軒あり観光客でも賑わっていますが、ここに住む外国人の常連さんもきっとかなりいるに違いないと思ったりしました。今度は別の季節に訪問してみたいところです。